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なぜ泣ける!?『トクサツガガガ』第2話「トライガーノキミ」

トクサツガガガ(1) (ビッグコミックス)

若さ 若さってなんだ 振り向かないことさ

愛ってなんだ 躊躇わないことさ

 第1話からその面白さの虜になった『トクサツガガガ』。待望の第2話である。

 主人公の叶(かの)が、名古屋栄のオアシス21で特撮ヒーローショーを見るシーン。

 第1話で、地下鉄桜通線の電車の中、偶然出会った特撮オタクの年上女性と、これまたオアシス21で偶然の再会を果たし、お互いのオタ度を探り合いながら、ショーが始まるのを待つふたり。

 初めのうちは、お互いが警戒して、手の内を隠しながらの会話だったため、誤解が生じたりして、観ていてもどかしさを感じる。

 しかし、ショーの途中で、叶がヒーローショー初体験であることが判明する。そこで、叶が幼い頃、母親に理解されず、特撮ヒーローを禁じられていたという過去を告白する場面で、なぜか涙が溢れてきてしまった。

 なぜだ!?私はオタク趣味を親に禁じられたような記憶はない。個人的に共感を覚える場面でもないというのに、なんだこの感情は!?この零れ落ちる涙は何だ!?叶、キミは悪くないんだ!好きなものは好きと言っていいんだ!そんな気持ちが湧き上がってきた。

 私は、宅八郎や、宮崎勤事件をきっかけに、オタクと呼ばれる存在が白い目で見られ、迫害されていた時代には、すでにオタク的な活動をやめていたので、オタクであることを後ろめたく感じたり、隠したりする必要に迫られることはなかった。

 しかし、そうは言っても根がオタクなので、マンガやアニメ、パソコンなどのオタ文化に近いところにはいた。積極的に関わったり、参加したりという行動はなかったものの、自身がオタク、あるいはそれに近い存在であるという自覚はあった。

 そのため、あまりにオタクよりな姿勢は、職場やオタク友達以外の交友関係において隠ぺいしていた。そこには、やはり世間で白眼視される存在であるという自覚も、無意識にあったのだろう。いわゆる隠れオタクだったのだ。

 時代は変わり、オタク文化がクールジャパンだ世界共通だなんだともてはやされ、一定の市民権を得たように見える昨今でも、やはり日陰者のマイノリティーという印象はぬぐい切れない。40年近く、オタク文化に触れてきたおっさんであればこそ、長い間に刻まれてきた負の意識は、簡単には克服できないのだ。

 叶の告白は、その負の意識によって自らを虐げてきた、心の弱い部分に刺さったのだと思う。好きなものは好きだと、堂々と胸を張って言えない弱さ。周囲の目を気にして、意図的に隠してきた自分の嗜好。そんな自分の弱さに、彼女の姿を重ねたのだろう。

 オタクは弱い生き物なのだ。人目を気にして、好きなものは好きだと、胸を張って言えない弱さを、匿名でしか好きなものについて語れない自分を、許したいと思う。

 本日はこれにてお粗末。

メタルヒーロー主題歌・挿入歌大全集 I

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