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パン屋のレジで人工知能の仕事ぶりを見た

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「胸の雲の向コウに 見えないままの道しるべ」

 普段あまり通らない道を通ったら、新しいパン屋ができていたので、ふらりと入ってみた。

 中途半端な時間だったので、棚にはパンがまばらに並んでいるだけだった。焼き上がりまでにはまだ間がありそうだ。

 いくつかのパンをトレイに載せて、レジまで持っていく。コック帽をかぶった小柄な女の子が、レジにいた。まだ新人なのだろう。接客も少々たどたどしい。

 コック帽の裾からのぞく後れ毛が、白いうなじに……エロ親父はこれだからいかん。

 前に並んでいたおじさんが、レジの機械にお金を入れている。パン屋でセミルフレジって珍しいな。衛生上の観点から、とかなんとか、レジの横に書いてある。なるほど、現金を触った手でパンに触れるのは、衛生上よろしくない。納得である。

 前のおじさんが、少しとまどいながらも会計を済ませて、パンを受け取っていった。次は自分の番だ。女の子が「少々お待ちください」と言って、トレイにパンを載せたまま、レジカウンターの横に移動させた。

 トレイを移動させた場所には、半透明に白いアクリル板のようなものが敷いてあって、その横に蛍光灯スタンドみたいなものがにょっきり立っている。これはもしや……と思って見ていたら、セミルフレジの液晶画面に、私がピックアップしたパンのトレイを真上から見た画像が映っているではないか。

 やはり、予想は的中。トレイに載せたパンをカメラで撮影し、画像認識で自動的に計算するのだ。よく見たら、レジのところに説明書きが貼ってある。

 同じ種類のパンでも、焼き色や大きさなど、仕上がりに微妙な個体差がある。それを学習して、少々色や形が違っていても、同じパンとして認識する人工知能が搭載されているのだ。なんという最先端。

 画面に映ったパンが、緑色の線で縁取りされ、それぞれのパンの横に金額が表示されている。そして合計何円入れてください、とレジに表示される。お金を入れると、じゃらんとお釣りの小銭が出てきた。

 そして女の子は黙々と、パンをビニール袋に入れている。

 黙々と、パンを、ビニール袋に……

 パンを入れている。

 はい、全部入った。

 今度はそれを紙袋に入れる。パンがつぶれないように、順番を考えて慎重に……レジよりパンを袋に入れる作業で待たされた。レジが早い分、余計に待ち時間が長く感じる。その間、堂々と合法的に若い女の子を見ていられるから、それはそれでいいのだけど。これだから中年エロ親父は。

 家に帰ってから調べると、やはり画像認識レジのサイトがあった。パン屋の会計に特化した機械らしい。なるほどねぇ、特に独立店舗のパン屋は、商品の種類が多いうえに、金額もバラバラで覚えるのが大変だからね。これは革命的だわ。ベーカリースキャンというらしい。割とストレートなネーミングやね。

bakeryscan.com

 AIというと、シンギュラリティ―だの兵器だのと、少々きな臭い話も聞くけれど、パン屋で活用されるAIとなると、一気に平和なイメージが醸成されるな。ロバのパンならぬ、AIのパン屋さん。平和だ。

 ということで、今日の話はここまで。

ホウキ雲

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