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【映画鑑賞記】『ドラゴンタトゥーの女』(2011年・米)【ネタバレ】

ドラゴン・タトゥーの女 (字幕版)

「Ah, ah Welcome from the land of the ice and snow

From the midnight sun where the hot springs flow」

 例によって、BSの放送を録画して観た。

 どんな内容の映画なのか、前情報は全くなしで観た。ただ、公開当時テレビでCMを見たことがあったので、そのボンヤリしたイメージだけがあった。そのイメージによると、ドラゴンの入れ墨を入れた怪しい女が、主人公の男を危険な世界に引きずり込むような、『蜘蛛女』みたいな話を想像していた。というか『蜘蛛女』も観てないんで、そっちの内容も想像だけど。

 そのボンヤリしたイメージからかけ離れた、スリリングな推理物で、スウェーデン版『犬神家の一族』のような話。でもないか。

 オープニングが真っ黒なCG映像で、BGMがレッドツェッペリンの「移民の歌(Immigrant Song)」のカバー。これがまたカッコよくて予想外。

 舞台はスウェーデン。主人公は雑誌記者のミカエル。6代目ジェームズ・ボンドで有名なダニエル・クレイグが演じる。でも本当の主人公は天才的な情報収集能力を持つ、リスベットという若い女性。この映画で本格的ヒロインに抜擢された若手女優ルーニー・マーラ。彼女が「ドラゴンタトゥーの女」である。

 告発記事が名誉棄損で訴えられ、多額の賠償金で全財産を失った失意のミカエルに、大富豪ヘンリックから評伝執筆の依頼が来る。しかしそれは表向きの依頼で、本当の目的は財閥の歴史にまつわる暗い過去を調べ、40年前にヘンリックの姪を殺害した人間と、その事件の真実を暴いて欲しいというものだった。

 同時進行で、もう一人の主人公であるリスベットの生活が描かれる。12歳で父親を殺害しようとしたことで精神病院に収容され、何人もの後見人を渡り歩いている問題児だったが、天性の才能を生かし、秘密で興信所の調査員のような仕事をしていた。彼女はヘンリックの弁護士から依頼され、ミカエルの身辺調査をしていた。それが縁で、後半、ミカエルと共に財閥の過去を探り、真相を突き止めることになる。

 最初のほうは、ミカエルの話とリスベットの話が全く別個に進められていくので、これがどこで繋がるんだろう?と思いながら観ていた。

 リスベットは、信頼していた後見人が脳卒中で倒れ、別の後見人がつくことになるが、それがまた悪いヤツで、生活費を支給するのに後見人の了解が必要なのを悪用し、リスベットを性的に搾取する変態野郎。彼女がレイプされるシーンは痛々しすぎて心臓が締め付けられる思いがした。こいつは後で強烈なしっぺ返しをくらい、リスベットの言いなりになるのだけど。そこはちょっとスカッとする。

 調査を共にすることになってから、ミカエルとリスベットは急速に距離を縮めていく。主にリスベットのほうからなんだけど。ミカエルもリスベットに押し切られる形で、肉体関係を持って親密になってしまう。

 ミカエルは妻と娘がいるが、結婚生活は破綻していて、仕事仲間の女性と長く不倫関係にある。しかし、記者としての失墜と、ヘンリックの依頼で始めた調査で、2人の距離は離れていく。

 リスベットが調査に加わってから、彼女の情報収集能力と行動力のおかげで、ミカエルは急速に謎の核心に近づいていく。その過程で、いろんな謎が解けていく描写があるのだが、実を言うとサッパリわからなかった。

 ミカエルたちが、警察資料や過去の写真や、一族が経営する会社の資料やなんかを片っ端から調べていって、次々に謎が解けていってるっぽい、というのはわかるんだけど、登場人物が多いから覚えきれなくて、2人が真犯人ぽい人の話をしていても、それ誰だっけ?という感じになる。これは私にとって「推理小説あるある」だ。

 昔、姉が読んでいたアガサ・クリスティーを借りて何冊か読んだことがある。それも登場人物が多すぎてわけがわからなくなって、最後に犯人がわかっても「誰だっけ?」となる。あれと同じ現象だ。

 この映画でも、ラスト近くになって、その犯人が出てきたとき、「あー、この人のことを言ってたのか」と思った。それくらいわかってなかった。

 事件が解決して、エピローグ。リスベットはミカエルにプレゼントを買って渡そうとする。電話をすると、ミカエルは「娘に会うから今夜は無理だ」と言う。プレゼントを届けようとミカエルの家に向かうリスベットは、そこでミカエルと恋人の仲睦まじい姿を見てしまう。プレゼントを路上のゴミ箱に捨てて、バイクで走り去るリスベット。

 このラストはちょっと哀しい。やっと心を開くことができた、数少ない人間であるミカエルに裏切られたリスベットの気持ちを考えると、事件は解決してもハッピーエンドとは言えない。ミカエルとしては、成り行きで肉体関係を持ってしまったものの、リスベットはあくまで今回の仕事だけの相棒で、歳も離れているから、裏切ったつもりはないんだろう。だけど、真犯人に殺されるギリギリのところで命を救ってくれたリスベットより、古い恋人と元鞘なんて、それはどうなのよと個人的には思った。

 しかしまぁ、人と人との間にはそういうこともある。仕方ない。でもリスベット可哀そう。

 ということで、自分が勝手に想像していたイメージとは違って、予想外に面白いエンタメ映画だった。ただしR15指定なので、お子様には見せられない。

 以上。

移民の歌(映画「ドラゴン・タトゥーの女」から)

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