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【ただの戯れ言独り言】君が望んだ人生

 今日はただの戯れ言シリーズです。

 

 あーあ。宝くじでも当たって、借金全部返して、病院行って、車買って、家買って、旅行でも行きたいなぁ。

 なんでこんなお金に苦しむ生活なんだろう。一体、何がいけなかった?何が間違ってた?なんで俺は自分が望んだ人生を送れないんだろう。

 「今の状況は、君が望んだのだよ」

 え?ウソやん。返せる当てのない借金抱えて、セックスレスで欲求不満抱えて、人生で何がしたいのかもわからず、未来に何の希望もないこんな状況を、俺が望んだって?そんなわけないやろ。だいたいなんでこんな苦しい生活を自分で望むわけ?

 「それはわからない。ただ、今の状況は君が望んだことだ」

 いやいやいや。なにそれ。そんなはずあるかい。俺は借金なんか望んでないし、もうちょっとお金のある生活がしたいし、もうちょっとセックスしたいんだよ。欲しいものが何も手に入らない、こんな状況は望んでないんだよ。

 「言い方を変えよう。今の状況は君が作り出したのだよ」

 一緒じゃねぇか。そんなわけないって。絶対ない。俺は一度たりとも、今みたいな苦しい生活を望んだことなんかない。

 「今の状況を、そのままの形で望んだわけではないだろう。しかし、君が何かを望んだことによって、今の状況が作られたということだ」

 何だって?

 「今の状況は、直接的に君が望んだものでなかったとしても、何かを望んだこと、あるいは望まなかったことの副次的結果として、今の状況が作り出されたということだよ」

 それは……酒を飲み過ぎたら二日酔いになる、みたいなこと?

 「そのようなものだ」

 だけどさぁ、俺が望んだことが、間接的に今の状況を作り出すなんてわかるわけないだろ。そもそも、今の状況を作り出す元になった俺の望みが何なのかもわからないよ。

 「しかし、人生とは往々にしてそういうものではないか。早く移動するために車に乗れば、排気ガスで大気汚染が起こる。美味しいものばかりを腹いっぱい食べていれば、太って病気になる。君はそうした結果を望んでいなくとも、あるものを望むことによって、別の面では望まない結果を招くのだよ」

 いやまぁ理屈じゃそうかもしれないけどさ。じゃぁ俺が望む状況を作り出すために、何をすればいいんだよ。

 「たった今話したことについて、よく考えればわかるはずだ」

 ええええ。最後は丸投げかよ。

 ところであんた誰?

 「私は君自身だよ」

 チッ……。

 「え……今の、舌打ち?」

 そうだよ。あんたなぁ、俺のくせになんで上から目線で説教くれてんの。

 「いや、俺のくせにって……」

 今そう言っただろ?「私は君自身だよ」(キリッ)て。

 「いや(キリッ)は余分だけど……」

 とにかくだ、あんたが俺なら、なんで俺がこんだけ不満を抱えて悩んでるのに、知った風な口ぶりで説教してんのかって話だよ。

 「説教とかそんなつもりじゃ……」

 じゃぁ何なんだよ。なんで俺がわからないのに、俺であるあんたがわかってるような口ぶりで話してるんだ。

 「うるせぇよ」

 おっ?

 「お前が悩んでるからせっかくアドバイスしてやってんのに、なんでそんな反抗的なこと言うんだよ」

 さっきまでと人格が違うな。

 「同じだよ。お前とおんなじだよ。俺はお前なんだからな」

 だったらお前のアドバイスなんかいらねぇよ。俺が俺からアドバイスもらって何が解決するんだよ。結局何にもわからねぇじゃねぇか。

 「もういいよ、今までの話、全部なかったことにするよ。じゃぁな」

 おい!

 ……消えたか。はーぁ、結局なんも変わらねぇな。俺は俺のまま行くしかねぇってことか。

 

2019/07/11 版2