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【映画鑑賞記】『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』【ネタバレ含】

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 今年も観てまいりました、仮面ライダーと戦隊ヒーローの夏休み映画2本立て。

 『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer/騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!』2つ合わせるとタイトル長い!

 前半は戦隊ヒーロー『騎士竜戦隊リュウソウジャー』の映画ですが、テレビのほうを観ていなくて、キャラ、背景、設定等々何もわからないので、半分寝てました。「今回もすごい強引な展開だな……」とか「ああ、また佐野史郎が出てる」とか思ったのは覚えています。

 さて息子氏と私の本命は『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』のほう。

 前半で、ホログラムのクリスペプラー、いやベルトさんが登場して、ドライブライドウォッチを手に入れたソウゴ。その様子を見ていたウォズは、怪しい笑みを浮かべながら姿を消します。

 そしていきなり現れる前方後円墳。そこに用意された玉座に向かうソウゴの目の前に現れたのは、ISSA率いるDA PUMPのメンバー。いや常盤SOUGOと歴史の管理者を自称する「クォーツァー」たち。リーダー以外はみんなウォズと同じ格好。もう誰が誰やら……

 え?常盤SOUGO?SOGOじゃなくて?そう、18歳のソウゴは、こちらのSOUGOが魔王となるべく仕組まれた、影武者に過ぎなかったんです!えー!今までテレビでやってたことは何だったの?

 というわけで、ベルトさんの先祖を消してドライブの存在を亡き者にしようとするクォーツァー一味を追って、織田信長がいる戦国時代に飛ぶソウゴたち。そこで出会った信長は、歴史に記されているような人物ではなく、軽いノリのバカ殿っぷりを発揮しながらソウゴたちを振り回します。

 さぁ、その信長が絡む件を解決したことで、何かを掴んで現在に戻ってきたソウゴたち。たとえ影武者として仕組まれたのだとしても、俺は俺として王を目指すんだ!という覚悟と共に、なぜか未来のオーマジオウからライドウォッチを授けられ、クォーツァーたちを撃破します。

 この映画、初っ端からウォズがメタ発言をしていて、昨年末の劇場版のように、平成ライダーとは何か?というメタ視点が織り込まれています。「平成ライダーは世界観も設定もバラバラで、統一感がないという声が多い」なんていう発言も。子ども向けの体を取りつつも、大人にしかわからないネタも随所に盛り込んでいて、お父さんにも喜ばれること間違いなし。

 途中、牢獄に閉じ込められたソウゴの、隣の檻に、木梨猛……そう、仮面ノリダーが登場します。「ライダーとして認められなかった存在」として、檻に入っているらしいのですが、ちょっと意味がわかりません。とにかく、お父さん世代に刺さるネタということでしょう。

 しかし、今どきの若いお父さんに仮面ノリダーが通じるのでしょうか。少なくとも、アラフォー以上でないと、ノリダーは通じないと思うのですが、私のような若くないお父さんには大ウケでしょう。

 ラストの大乱戦には、Vシネマや舞台版、さらにはコミック版のライダーが多数登場し、なんかもうむちゃくちゃでごじゃりまするがな状態。平成20ライダーが、全員でライダーキックを決めた時、撃ち抜かれた敵の盾?に「平成」の文字が。うぉおい!それまるで「平成」の書を掲げた小渕さんじゃないか!昭和生まれにしかわからんやろ!

 クライマックスで、ウォズは敵の剣に貫かれて絶命し、敵を倒して歴史が変わったことでゲイツツクヨミは消滅してしまいます。ところがどっこい、エピローグではちゃっかり3人ともクジゴジ堂に戻っています。なんで?どうして?という本人たちにもわからない謎の復活。ソウゴは「今の一瞬一瞬を大事に生きてればいいじゃん」みたいなことで片づけます。

 これは、大人から見れば無茶苦茶な話ですが、仮面ライダーは本来子ども向けコンテンツ。ストーリーや設定に矛盾があろうと、今、このシーンがかっこよく盛り上がれば、それでいいんだ!という主張とも受け取れます。大人は、やれドラマだ設定だ、矛盾だ不自然だと言いたがりますが、子どもにはそんなこと関係なくて、かっこいいヒーローが、悪者をかっこよくやっつけてくれれば、それでいいんです。

 だいたい、タイムスリップや並行世界を持ち込む時点で、矛盾が生じるのは当たり前だし、あらゆる矛盾を、あり得ることにできてしまうのも、これらの設定の醍醐味というものではないでしょうか。

 さてこれは全くの余談で、仮面ライダーとは関係ない話。戦国時代にタイムスリップしたソウゴたちが、長篠の合戦に巻き込まれ、タイムマジーンで甲冑姿の武士たちと戦うシーンがあります。戦国自衛隊ならぬ戦国仮面ライダー。そのシーンに、やたら既視感があると思ったら、『ガサラキ』でした。『ガサラキ』はサンライズ制作・高橋良輔監督のアニメ作品で、個人的にリアルロボット路線の極北と思っている作品です。

 『ガサラキ』を観た人にしかわからない話ですが、戦国時代の武士たちと、身長5m前後のロボット、というスケールの対比は、まさにTA(タクティカルアーマー)や骨嵬(くがい)と、その周りに群がる武士たちのそれです。まさか仮面ライダーを観ていてガサラキを思い出すとは、意外な出来事でした。

 ということで、平成最後、そして令和最初の仮面ライダー映画は、いろいろとてんこ盛りのハチャメチャ映画でしたとさ。