心は空気で出来ている

その場の空気で書く日記

貧乏は嫌、貧乏は嫌、貧乏は嫌……

 息子氏を風呂で洗い、先に上がらせて独り湯船に浸かっていたら、ふと「貧乏は嫌だな」と思いました。

 今の暮らしは、貧乏と言えば貧乏だし、そうでもないと言えばそうでもない、と言えなくもない。いろいろ我慢していることはあるけれど、質素ながら人並みの暮らしは維持できています。

 しかし、この人並みの暮らしも、ひとつ間違えば一気に貧乏の泥沼に陥るという、いわば薄氷を踏むがごとき暮らしということは、家族の家計を管理する私が独りで抱えている悩みです。

 嫁に相談しないのかという意見もあるかもしれませんが、今の借金は私の仕事の不安定さから抱えることになったもので、嫁は何も知りません。それに加えて、彼女は私と結婚するまで実家暮らしで親に面倒を見てもらっていたご身分。人が生活していくために、最低限必要なお金というものを意識したことがありません。

 生活できるのは当たり前、そのうえで、車の保険や生命保険がどうの、生活雑貨がどうの、趣味や遊びに使う金がどうのというレベルの経済感覚しか持ち合わせていないので、いきなり借金が発覚して生活基盤が根底から揺らぐとなれば、パニックに陥る可能性が大きく、離婚して親元に帰ったほうがいい、という判断が働くだろうと予想しています。彼女の両親はまだ健在で、資産もそれなりにあるようなので、離婚に際して生じる面倒なあれこれを我慢すれば、実家に帰ったほうが楽に暮らせるでしょう。

 なので、私としては極秘裏に借金を返済し、これから確実に増えていく息子氏の養育費を確保し、老後の不安など経済的な懸案を解消していかなければなりません。

 普通に考えたら、もう無理だということはわかっています。借金生活が長すぎて感覚がマヒしているのでしょう。普通に考えることができません。まだなんとかなる、取り戻せるはずだと心のどこかで思っています。そう思わなければ精神が持ちません。

 そんな状況でふと「貧乏は嫌」と思ったら、なんだか頭の中で「ぐわぁー!」っという感覚が膨張してきました。語彙力の問題で、私にはそれがどういう現象なのか全く説明できないし、自分でも理解できていませんが、今までなんとなく頭の片隅に常駐していた「貧乏は嫌」という気持ちが、改めて強く湧き上がってきたような気がします。

 だからって、何かやる気が起きてきたというわけでもなく、ただ何らかの感覚が湧き上がって、本当にしみじみと「貧乏は嫌」と思った、というだけの話です。

 貧乏は嫌だけど、じゃぁどうすればそこから抜け出せるのか、わからないまま10年を過ごし、この先もどうなるかわからないまま過ごしていくのでしょう。破綻するのか、乗り切れるのかわかりませんが、いつか何らかの結果は出るのでしょう。

氷の上に立つように

氷の上に立つように