心は空気で出来ている

その場の空気で書く日記

DVの話で笑ってはいけない

 今日、職場である種の研修がありまして。

 職場におけるハラスメント的な話とか、ドメスティックバイオレンスな話とか。コンプライアンスとかなんとか。上からのお達しで、全員研修を受けさせよ、ということなんでしょう。

 研修といっても、職場内のさらに小さなグループでの小規模な集まりでしたから、参加者は10人もいませんでした。

 で、資料を見ながら上の人が説明していくわけですが、本人もその道のプロってわけではないので、いわゆる棒読みちゃんになってしまいますわな。

 その研修資料の文章中に、何度かDV(ドメスティックバイオレンスの略)という単語が登場しました。職場の研修でDVなんてプライベートな問題を扱うの?と思いましたが、そこまで踏み込んだ内容ではなく、そういうこともありますから気を付けようね、くらいの簡単な話でした。たぶん。

 それを説明係の人がですね、「DVD」って言っちゃうんですよ。

 最初は本人も気づいてなかったみたいで、何の訂正もなかったんですが、2回目もDVDが出まして。そこは「あっ、いやDVが……」みたいに無事訂正されました。

 しかしまさかの3回目がありまして。「DVディ……DVによる〇〇が……」とかごまかしていましたが、もうバレバレなんですね。

 気持ちはわからなくもないです。日常、あんまり「DV」なんて言葉は使いませんからね。逆に「DVD」は割と日常的に使う場面が多いですから、DVときたらDでしょ、というパターンを口が覚えてしまっているんですね。つい口が滑るってやつです。

 研修の内容が真面目な話なので(真面目じゃない研修ってどんな)、笑える雰囲気じゃないんですけど、心の中はもう爆笑で。DVの話なんてまるっきり頭に入ってきません。説明係の人も真面目な性格で、そういう間違いを笑ってごまかすタイプの人じゃないんです。だから他のみんなも笑える空気じゃなくて、それがさらにおかしみを増幅してしまうんですよね。

 そういう時、向かいの席の若い人が、顔を伏せながらも上目遣いで周りをチラチラ見るんですよ。「今の聞いた?DVDだって(笑)」みたいな視線ですよ。私はその視線を受けたらもう笑いを堪える自信がなかったので、絶対見ないように机の資料に視線を落としました。

 DVをDVDと言い間違えただけのことで、なんであんなに可笑しかったんだろうって、家に帰ってから思いましたが、そういう場の空気ってありますよね。笑っちゃいけないと思うほど可笑しくなるっていう。

 という「笑ってはいけない職場研修」の話でした。

第3版 Q&A DV(ドメスティック・バイオレンス)事件の実務―相談から保護命令・離婚事件まで―

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